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あなたとHTB


このページは令和元年10月25日放送分から引用しています。

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森・佐藤両アナウンサー

佐藤良諭アナウンサー

おはようございます

「あなたとHTB」の時間です
「あなたとHTB」は 視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りと放送のあり方を目指す番組です
さて 今回は
今年9月に開催された第527回放送番組審議会で審議されました
審議議題 HTBノンフィクション
「たづ鳴きの里 ~タンチョウを呼ぶ農民たちの1500日~」
について委員ご意見を紹介いたします

森さやかアナウンサー

この番組は タンチョウが再び姿を見せることを夢見て
地域ぐるみで環境改善に取り組んだのべ1500日に及ぶ記録です

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HTBノンフィクション「たづ鳴きの里 ~タンチョウを呼ぶ農民たちの1500日~」

森さやかアナウンサー

番組は 札幌近郊の長沼町の農家による
「町にタンチョウを呼び戻す運動」を取り上げました
乱獲と生息地の湿原の開発で絶滅寸前に追いやられた
特別天然記念物タンチョウを再び呼び戻す
洪水対策で人工的に造られた「遊水地」を
タンチョウが住める環境に作り替える取り組みで 
奇跡の2羽が舞い降り 今年 開拓以来 
空知では100年以上ぶりに繁殖が確認されました
5年にわたる地元農家の貴重な活動記録です

佐藤アナウンサー

この番組に対して 番組審議会の委員から頂いた
ご意見から まずは評価点を紹介します

≪評価点≫

●ナレーションの
「空からここを見つけてください」のひとことに
がっちり気持ちを掴まれた

●私自身 現在 コロナ禍の影響もありかなりの閉塞感を
抱いているところだが 
そのようなものもやわらげてくれる番組だ

●「タンチョウを呼び戻す会」会長の加藤さんの
呼びかけで始まった1500日 約5年に感動した
何より 加藤さんをはじめ会の人達
地域の人達の優しさが感じられた

●「何て息の長い取材なのか」
5年前 だれもこんな結末が訪れるとは 
確信が持てない段階で取材が始まっている
取材し続けた根気と熱意がすばらしいし 
その「余裕」を許した会社もすごい
地元局ならではの取り組みだ

●100年以上途絶えていたタンチョウの繁殖を
復活させる 世界でも初めての挑戦であり
正直なところ取材スタッフにも
先行きへの不安があったかと思う
最後に二つの卵が孵って ヒナが誕生したのは 
まさに1500日の長期にわたる粘り強い取材の賜物だ

●ツルが現れたときの町の喜びようと驚きが 
町のひとの会話から伝わってくる
畑を荒らされれば 収入にも直結するだろうに 
「鳥の取り分 昔からそうやってやってきた」と話す
改めて 北海道の良さ 人の余裕を知ってもらえる

森アナウンサー

●「タンチョウを呼び戻す会」の方々の寛容さ
懐の深さが この奇跡の物語の根底に流れていて
それをうまく表現できているからこそ
こんなに心地良い番組になっている

●タンチョウを呼ぶ環境を作ることで
他の鳥も増えてしまい 食害を心配する声があること
マナーを守らない撮影者が集まることなど
綺麗事だけではすまない面もしっかりと取り上げて
バランスもとれている

●農業という自然を相手にする方々が使命感を抱いて 
世界で初めてと言っても良い稀なことを成し遂げた
その経過を大変綺麗な映像と感動的なBGMで
我々に届けてくれた大変秀逸な作品だ

●随所に挿入されたドローンの映像も効果的だった
葦が育った広大な遊水地や青々と実る水田の様子が
タンチョウ目線で感じることができた
特に最後の場面で タンチョウの二羽のヒナが
確認された時の映像は 番組のハイライトとして相応しい

●タンチョウのことはわりと知っているつもりだったが
番組を見て あまりにも無知だったことに気づいて驚いた
タンチョウに羽変わりの時期があって
まさか50日も飛べない時期があるとは思わずにいた

佐藤アナウンサー

ここまでは 評価点についてお伝えしてきました
このあとも引き続き 評価点をお伝えします

●タンチョウや渡り鳥が飛ぶシーンの
スローモーションは 鳥肌が立つほど素敵な映像で
まるで劇場で映画を見ているような錯覚を覚えた

●単にタンチョウや自然の美しさだけでなく
農作業など 日々の生活風景や人々の表情も
きれいな映像に収めている

●藤村 嬉野の両名物ディレクターの
息の合ったナレーションも
番組のスパイスになって
メリハリをつける効果があった
番組のテーマとは直接関係のない
「遊び」の部分が結果として成功している

●舞鶴地区に遊水地を作った経過について
空からの画像によって解説する場面は
アニメーションを駆使して解りやすかった

森アナウンサー

●かつて洪水対策として打ち出されたのが
千歳川放水路計画で
自然保護団体などが強く反対して計画が中止になり
代替案として今回の遊水池計画になった
環境破壊が大きな懸念材料だった
放水路に代わる遊水池が
100年ぶりのタンチョウ誕生の舞台になったというのは
昔 放水路を取材していた者として感慨深い

●この地にタンチョウが戻って繁殖することは
すばらしいことであるが
一方でその環境は ぎりぎりのバランスで
維持されているものであり
人間と自然の共生はどうあるべきか
難しい課題が課せられたように感じた

●一度壊したものを元に戻すと言うのは
本当に時間がかかる事を
その一歩を踏み出した長沼町の皆さんの事を
番組によって知ることができた
テレビがこれからもこうあって欲しいと思う

●インターネットなど情報を得るツールがない動物が
住みやすい環境を整えたことに気付く観察力に
驚くと同時に生命力を感じた
その反面 人間という生き物のエゴイズムに
複雑な気持ちにもなった

●ラストのヒナ二羽を見たときに改めて
番組を1本の物語として楽しんだことを実感した

佐藤アナウンサー

委員のご意見のうち
評価点をお伝えしました
このあとは 番組に対して頂いた要望点 改善点と
提言をご紹介します

≪要望点・改善点≫

▲タンチョウを呼び戻す会以外の方は
どのように感じているのか
実際食害も発生しているため
批判的にご覧になっている方もいるし
その方の意識がどうなったのか非常に気になった
そこを掘り下げると厚みが出たようにも思う

▲食害を訴える人たちとの葛藤や実際の影響などを
もう少し詳しく取り上げても良かった

▲藤村さんと嬉野さんがアフレコをした
「まいづる劇場」は 無い方が良かった
番組に引き込まれてきたあたりに挿入された
2回目からはこの番組の雰囲気とのミスマッチを感じて
ちょっと邪魔だと思った

▲ユーモアを交えて擬人化した
ナレーションが加わることで
少し番組のトーンが変わってしまったように感じた
テーマやコンテンツからも愚直に純粋な
ドキュメンタリー番組として貫き通した方が良かった

森アナウンサー

▲この番組を通じて数々の問題提起をしていたのだと思う
「農家が地域の自然を破壊してしまった
だから農家が取り戻さなければ」という言葉に代表される問題
小学校が閉校になってしまうような
人口減少の問題
外来生物のことなど ものすごく沢山の問題提起が
なされていたようですが
かなり乱暴に並んでいて 整理がつかない
そんな中に 数回現れる「まいづる劇場」
これも構成の中に軟着陸できていない

▲タンチョウの生態について 要所要所で補足説明が欲しかった

▲「タンチョウも住めるような環境の中で育てた
農産物はイメージが良くなる」という方がいた
タンチョウの好む環境というのは湿地であり
それが農産物を購入する一般消費者にとって
「環境が良い」ということとイコールなのかが疑問だ

▲ツルが帰って来ても 帰って来なくても関係なく
この土地で暮らす人々の取り組みを撮ろうとしたのではないか
そこへ 予想以上にあっという間にツルが来てしまい
あれよあれよという間に
番組の構成を組み替えなければならなかったのではないか
そんな気がした

佐藤アナウンサー

≪提言≫

☆今回の番組は 二羽のヒナの誕生で
一応の完結となったが
タンチョウの飛来 繁殖はこれからが本番であり
生息数が増えるに従って
人間の営みとの摩擦もさらに増えてくる
人間と自然の共生のあり方を
実例を以って伝えるためにも
取材の継続と続編の放映に期待したい

☆タンチョウの繁殖を増やす取り組みを
5年という長期にわたり歴史を映像に収めることは
後世に語り継ぐ財産なので
今後も続編を期待したい

森アナウンサー

☆江別や千歳など 近隣の遊水地での
タンチョウの今後の行動が楽しみだが
本当にタンチョウに定着してもらうためには
これからの人間の行動が試される
タンチョウが定着したか その経過がどうだったか 
是非とも続編を期待したい

☆「テレメンタリー版」30分だと駆け足すぎて
美しい映像を見せる時間的な余裕も少なく物足りない
これまでテレメンタリーと再構成した番組を
何本か見てきたが
じっくり時間をかけた取材は やはりアウトプットも
それなりの長さが必要なのだと感じる

佐藤アナウンサー

「あなたとHTB」次回の放送は
10月と11月に開催される
第528回 第529回放送番組審議会における
委員の皆さんのご意見を紹介いたします

過去の放送より