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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員8名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は、2ヶ月に一度第4日曜午前5:40から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第553回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2023年4月25日(火)15:00~17:00

審議テーマ

テレメンタリー2023「笑えればいい 突然、体が動かなくなった葉月ちゃん」

出席委員
岡田美弥子委員長
斎藤 歩副委員長
桜木紫乃委員
及川華恵委員
鍋島芳弘委員(レポート参加)
田村ジャニーン委員
樋口 太委員
横田伸一委員
会社側出席者
代表取締役社長寺内達郎
取締役佐古浩敏
報道情報局長伊藤伸太郎
編成局長橋本秀利
報道部長後藤雄也
番組担当プロデューサー広瀬久美子
番組担当ディレクター鈴木麻友
番組担当編集角田朋美
番組審議会事務局長渡辺 学
番組審議会事務局吉田みどり

【審議対象番組についての委員意見要旨】

≪評価点≫

・葉月ちゃんの境遇、辛さ、悩み、そしてこれは誰にでも起こり得ることなのだということを、30分という限られた時間で、視聴者に対して非常に分かりやすく、コンパクトにまとめられていた。

・近くの小学校で授業を受けた葉月ちゃんが「遅れているから全然わからない」と言った時の寂しく悔しそうな表情や、「頑張っている人にもっと元気をあげられればいい、みんなが笑えればいい」との言葉から、多くの人と関わりたい、自分の可能性を広げたいとの思いを感じた。本番組はその思いを応援する大きな助けになったと思う。

・過剰な演出がなく、字幕のフォント、音楽もトーンが抑えられていて、全体の流れを邪魔しなかった。森さやかアナウンサーのナレーションも適度な温かさを感じた。家族にとって忘れられない3月3日に焦点をあて、オープニングもエンディングも、病気になって3年後の3月3日の出来事で挟み込むという作りも奏功していたと思う。

・葉月ちゃんと家族の生活における様々な場面が取り上げられており、生活の中での葉月ちゃんの言葉、父、母の言葉もありのまま伝えられたことから、それぞれのキャラクターもよく分かった。番組を通じて、映像もきれいで、無駄な文字もなく、見やすいものであったと思う。

・難病の人や、そうした人を支え続けているご家族、様々な困難を抱えた人たちに対して、諦めるなというメッセージを送ってくれていると感じる番組だった。世界中にある数多の難病との闘いのうちの一例だが、旭川からこのような実例を、このように爽やかな形で届けてくれるのは、やはりテレビしかないのだと思った。

・葉月ちゃんの生活を同じ場所で見ているような感があった。ドアやカーテンを開ける音、車イスの車輪が回る音など、生活音がうまく拾えていたことが臨場感につながっていた。BGMも控えめで、ナレーションも心地よかった。

・作りすぎていなかったのが良かった。深刻でとても大変なはずだが、そのことを誇張したりせずに、ありのままをストレートに表現していて、特に葉月ちゃんの両親が、迷いや葛藤を正直に語っていたことは、多くの視聴者から共感を得られたのではないか。

≪要望点・改善点≫

・葉月ちゃんや両親の話、ナレーション、それから病気についての専門的な説明のバランスはよかったが、全体的には、少し情報が不足していた。もう少し工夫すれば、よりまとまった番組にできたと思う。

・葉月ちゃんは、表舞台に登場することで無理をしていないのかなと心配になった。また、今私たちが目にできる葉月ちゃんの姿や情報が、発信者側の方で都合のいいようにゆがめられてはいないのか気になった。

・予定調和の範囲内で、ひきつけられるような新しい発見がなく終わってしまった。理由のひとつは時系列がはっきりしなかったこと。発症、手術、退院、引越し、通学など様々なイベントの中で、この3年間に病気と障がいをどう受け止め、乗り越えようとしているのかが見えてこなかった。

≪提言≫

・今後も継続的に伝えてほしい。今回は家族のストーリーにフォーカスしたが、今後も葉月ちゃんと家族の人生を記録し、医療、介護のサポート、教育、経済的支援といった問題をテーマにしてはどうか。葉月ちゃんの成長とともに、社会のありようにも光をあてられれば、さらに意味のある報道になると思う。

次回の放送番組審議会は5月23日(火)開催予定です。

過去の審議会だより